ドット絵が描けない人のためのpictSQUAREアバターの作り方
オンライン即売会pictSQUAREとは?
ソーシャルディスタンスが叫ばれる昨今、同人イベントが中止になって嘆いている皆さんも多いのではないでしょうか?
「ああ、三密を避けつつ開催できる即売会があったらいいのに…」
そんな時代の声に答える即売会が…実はあるんですよ、そう、それがオンライン即売会です!
オンライン即売会とは、オンラインの即売会です。いや、まんまやんけ。すいません、ちゃんと説明すると、オンライン即売会はオンライン上で即売会イベントを再現したもので、同人誌のサンプルを見て通販機能を利用してポチっと購入したり、チャット機能で作家とコミュニケーションをとったりできます。今回紹介するのはpictSQUAREというサービスです。
文章で説明するより、実際に見た方がどんなものか手っ取り早いでしょう。pictSQUAREさんがデモ動画を公開されているのでこちらをご覧ください。
このように、pictSQUAREのオンライン即売会のビジュアルは2DRPG風のマップとなっていて、サークル参加者やイベント参加者はドット絵のアバターを使用して即売会に参加する形となっています。
しかもアバターは、一定の規格に沿う形であれば好きな画像を使用する事ができるのです!
「え~、でもドット絵の作り方なんて分からないからな~」と思ったアナタ!
ドット絵の知識はいりません!誰でもpictSQUAREで自分のイメージに合ったアバターを作れるやり方をご紹介しよう、というのが今回の記事です!
以下の 3種類の方法を紹介しますので、自分にあったやり方を選んでください。
- 既成の素材を探す
- パーツを組み合わせてアバターを作る
- がんばって自作する
①既成の素材を探す場合
アバターは縦32×横32ピクセルを1コマとして作成する必要があります。それを上下左右4種の方向と足踏みの動き3コマ分で、合計4×3=12コマ分用意し、それらを一枚にまとめた画像(縦128×横96ピクセル)をアバター画像として使用します。すなわち、下記のようなイメージです。*1
そして、この規格ですが実は都合のいいことに有名なゲーム制作ソフトであるRPGツクールとWOLF RPGエディタ(通称ウディタ)に近い仕様となっております。ということは、RPGツクールやWOLF RPGエディタ向けに作られたキャラドット絵素材を、アバターとして利用できるかも?ということです。
「かも?」と書いたのは完全に互換性のある規格じゃないからです。
各ソフトのドット絵仕様は下記の通りです。
-
RPGツクール
12コマで1セットなのはpictSQUAREと同じ。
1コマ分のサイズは様々だが、縦32×横32ピクセルの仕様の物もある。*2
後述するが、規約上ツクール以外では使用できないものがあるので注意! - WOLF RPGエディタ
12コマで1セットな素材だけでなく、もっと多いコマ数の場合もある。でもコマ数が12コマより多い場合は、必要な分だけ切り抜いて使えばOKです。
1コマ分のサイズは様々だが、縦32×横32ピクセルの仕様の物もあるのはRPGツクールと同じです。
このように、両ツール向けの素材の中には、pictSQUAREで使用できるものが結構あります。探すときのコツですが、「キャラチップ」「歩行グラフィック」などのキーワードで検索するのが良いです。(「32×32ピクセル」を追加すると、より見つけやすいかも)
既成の素材をアバターに使えないケース
ただし、基本的に素材には利用規約が付属しています。その利用規約によっては、pictSQUAREで使用できないケースがありますので、1つずつ解説します。素材を使用する前によく読んで理解しておいてください。
以下に述べる注意事項を無視して、トラブルが起きたとしても筆者は責任を負いかねますので、くれぐれもご承知おき下さい。
ケース①:オンライン即売会で利用不可の素材
そもそも規約でオンライン即売会で利用する事を禁止されている場合、当然ながらアバターとしての利用はできません。
オンライン即売会自体が、近年になって生まれたものなので、規約上でオンライン即売会を狙い撃ちして禁止しているケースはあまり聞いた事が無いですが、例えば規約が「ゲーム以外での利用不可」となっている場合などが該当します。*3
ケース②:RPGツクール以外で利用不可の素材
RPGツクールで作られたゲームでしか使用できない素材というのが存在します。これは何故かというと、RPGツクールは(株)KADOKAWAが販売する有料のゲーム制作ソフトですが、ソフトには多数の素材が収録されており、それらの素材をユーザーが加工して独自の素材として配布する場合、「RPGツクールで作られたゲーム以外に使用させない事」というルールを守る必要があるからです。素材も含めてKADOKAWAの商品ですからね。
したがって、「ツクール以外で使用不可」「ツクールRTP*4改変素材です」などと書かれた素材は使用してはいけません。
ケース③:商用利用不可の素材(サークル参加の場合)
一般参加者のアバターとして使用する分には、商用利用には当たらないかと思いますが、サークル参加者の場合はお金を受け取る場で素材を使用している以上、商用利用と基本的には判断するしかないでしょう。*5一般参加者のアバターの場合も、イベント運営側がアバターとして素材配布するようなケースでは商用利用と見做される可能性があるので避けた方が無難と思われます。
ケース④:その他
上記以外のケースでも、アバターとして利用できない場合が素材によってはあるかもしれません。よく利用規約を読んで、定められた条件に適しているかどうか判断した上で素材は使用しましょう。
あと、補足として「製作者名の表記必須」という利用条件もあります。そういった場合、ゲームならばエンドクレジットや説明書などに素材製作者の名前を載せるのですが、pictSQUAREのアバターの場合、どこに製作者名を載せればいいでしょうか?
pictSQUAREのアカウント設定に自己紹介を載せる欄があるので、ここに「アバターのドット絵は●●様の素材をお借りしました」等と書くしかないでしょうが、それで製作者の方が納得されるかどうか、確認しておいた方が良いと思われます。あの自己紹介欄はアバターをクリックすると他ユーザーからも見えるのですが、ちょっと見方が分かりにくく、あまり知られてない気がするので…
なんだか、サクっと書き上げるつもりが、既成の素材を探す場合の説明だけで結構なボリュームになってしまいましたが、それだけ素材というのは利用規約に注意が必要なものなのです。ご理解ください。
「う~ん、利用規約とか調べながら探すのは時間かかって手間なので、もっと簡単な方法は無いの?」という方は、次の「②パーツを組み合わせてアバターを作る場合」をご覧ください。
②パーツを組み合わせてアバターを作る場合
「素材を探すのは面倒だから、髪や服などのドット絵パーツを組み合わせて、自分好みのアバターを作る手順がいい」という方にはこちらの素材がオススメです。
こちらのぴぽや32×32キャラチップ素材はパーツを組み合わせてキャラクターを作るツールであるキャラクターなんとかJと、多数のパーツ素材がセットになったもの*6で、こちらをダウンロードして解凍すればすぐアバターが作れるめっちゃ便利な仕組みになっています。素晴らしい!神ツール!
利用規約も「商用利用OK」「製作者名の表記不要」「デジタル・アナログいかなる環境でも使用可能」となっているので安心です。
操作方法については、上記のぴぽや氏のサイトを参照してください。
③がんばって自作する場合
既成の素材にぴったりの物が無い、パーツ合成で作ろうとしても、しっくりこない…という場合はもう自分で作るしかありませんね!
さあ!アナタもドット絵制作沼に嵌りましょう!
これは私が過去にRPGツクール用のドット絵の描き方を書いた記事ですが、pictSQUAREのアバター制作方法としても読むことができます。(pictSQUAREと違って、サイズが縦32×横32ピクセルではなく、48×横48ピクセル前提で説明している点だけご注意ください。)
nulluo.hatenablog.com最初はゼロから自作するのは難しいと思いますので、既存の素材を加工するのが良いと思われます。その際は加工利用OKの素材を使用するようにして下さい。*7
あと、以下は多少画像編集の心得がある人向けの説明となってしまいますが、背景を切り抜いて透過PNG画像が作成できる人であれば、ドット絵を扱わずに好きな画像からアバターを作る方法があります。適当な画像を縦32×横32ピクセルに縮小して背景を透明化し、最初に述べた12コマの規格に従って並べればOKです。
これは、犬のフリー写真素材を加工して作成しました。見本なので手を抜きましたが、実際にはちゃんと上下左右それぞれの向きの画像を用意しましょう。
pictSQUARE上で表示するとこんな感じです。写真を切り抜くのは多少手間ですが、縦32×横32ピクセルに縮小した後なら手動でぽちぽち削ってもそんなに時間はかからないです。
おしまい
解説は以上です。皆さんが自分の好きなアバターでイベントに参加する手助けとなれば幸いです。ではでは。
*1:後で紹介する「ぴぽや32×32キャラチップ素材」を使用して作成しました。
*2:最新バージョンより数世代前のバージョンである、RPGツクールVX(2007年発売)向け素材は1コマの解像度が縦32×横32ピクセルの物が多いので、ツクールVX向けと書かれた物を探すのが狙い目です。
*3:「SNSのアイコン等への使用不可」と書かれている場合はどうだろう…個人的にはオンライン即売会はSNSとは呼ばない気がしますが、微妙な場合は製作者に問い合わせて確認した方が良いでしょう。
*4:RTPとはRPGツクールに同梱して販売されている素材集のようなものです
*5:無料頒布のみのサークルは別。
*6:ツールと収録素材の作者は別の方です。キャラクターなんとかJはseraphy氏によって開発されたオープンソースソフトウェアで、収録素材を作成されたのがぴぽや氏です。
*7:前述の、ぴぽや32×32キャラチップ素材も加工利用OKなので加工元としてオススメです。